黒歴史編 - GW2 の PvP デザインのルーツを探る GW1 回顧録 new

初代ギルドウォーズからギルドウォーズ2へ、ArenaNet のデザイン哲学を考える後編です。
前編は以下のリンクからどうぞ。

今回は、前回の予告通り、GW1の黒歴史たる RR を振り返ります。

ScreenShot

こじょのGW1は 2011年頃に終了したのでそれ以前の歴史です。
予めご了承ください!

RR

イントロダクション

GW1に黒歴史があるとするなら、それは間違いなく RR と、それによって永遠に葬られたヒーローバトルの存在でしょう。

ヒーローバトルは、GW1における PvP コンテンツの1つであり、プレイヤーがヒーローと呼ばれる NPC(プレイヤーが自由にビルドを設定できます)を 3体、操作しつつ 1vs1 で戦うコンクエスト形式のゲームでした。

コンクエストとはいえ、1vs1 のバトルは痺れる魅力があり、実装当初は人気を博したと思います。しかし、プレイヤーの習熟と共にメタが固定化してしまい、人気に翳りが見え始めると、プレイヤーの間に不穏な動きが目立つようになります。マッチング後、試合開始前にサイコロを振って勝敗を決めようというのです(GW1にはランダムな数字を表示するロール /roll というチャットコマンドがありました)。

ヒーローバトルの 1試合は最長で 10分かかります。サイコロ勝負ならば 1分未満です。二分の一で負けてもリワード目当てなら遥かに効率が良いのです。さすがにこれは早々に対策され、PvP のインスタンスではロール不可となりました。しかしその後、予想だにしない事態が訪れます。

それが Red Resign、通称 RR です。

RR とは

ヒーローバトルでは便宜上、プレイヤーはブルーとレッドに色分けされます。そして、リサイン /Resign は降参してゲームを終了するチャットコマンドです。RR とは、マッチング直後にレッド側が問答無用でリサインする行為をいいます。マッチングされた両者がこれを暗黙理に了承しているとき、1試合は 10秒未満です。

これは、プレイヤーのモラルを問うより以前の問題でしょう。人の心とは、かくも低きへと流れてゆくものなのでしょうか。 RR に嫌気がさした普通のプレイヤーたちはヒーローバトルから姿を消し、まもなく、ArenaNet はヒーローバトルを静かに廃止しました。

RR は心ないプレイヤーが一定の割合で存在することで成立します(1vs1 であることも条件です)。逆にいうと、普通のプレイヤーがそれなりに多い場合、つまりコンテンツに魅力があり、人気がある場合には成立しません。その意味で、最終的にコンテンツを廃止した事実は、魅力あるコンテンツにはできないと ArenaNet が認めた結果であり、彼らの苦渋に満ちた敗北であるといえます。

しかし同情の余地も十分にあります。RR のような行為は開発者にとって耐え難い屈辱であり、開発のモチベーションを保てなくなったとしても不思議ではありません。また、GW1のスキルは GvG を中心に調整されていたため、 全体のバランスを維持しつつヒーローバトルのメタに訴求する変更が極端に困難だったと想像できます。実は、複数の異なるコンテンツで同じスキルが使えるというデザインには限界があり、当時のGW1は既に、調整に苦慮した末、PvP と PvE とでまったく効果が異なる、というスキルが散在していました。


ギルドウォーズ2 のデザインの行方

GW1の後継作となるGW2でも、この「複数の異なるコンテンツで同じスキルが使えるというデザインの限界」問題を抱えています。

今月はGW2サービス開始から 2周年を迎えます。何かサプライズ的な発表はあるのでしょうか。いずれにせよ今後、使える武器の拡大や、プロフェッションの追加などでスキルの増加は避けられません。

この問題に対して、ArenaNet がどのような答えを出してくるのか、こじょは興味深く見守っています。一時はGW1での失敗を忘れてしまったかのように、sPvP のみ状態異常のダメージやルーンの効果が調整されましたが、現在は再び統一されています。
ひとたびコンテンツごとの調整を始めてしまうと、際限がなくなり、いずれ取り返しがつかなくなることを思い出してくれたのでしょう。

こういった視点でアップデートを眺めるのも面白いかも知れませんね。

尚、ヒーローバトルの廃止に関しては、GW1の公式 Wiki に当時の開発ご担当者の手記(?)が残されています。

それでは また。

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BlueCode
いつも楽しく読ませていただいています。
GW1歴史感慨深いですね。ArenaはGW1のさまざまな反省点をGW2へ反映していると思います。
挙げていただいたもののほかには、「スキルの種類が多すぎる」ことによる弊害もあるのではないでしょうか。新しいスキルが増えるのは楽しみではありますが、PvPが覚えゲーになってしまったり、同じ効果のちょっと違うスキルがいっぱいあったり。
GW2では今後どのようにしていくのか見守っています。
2014/08/10 Sun 22:30 [編集]
こじょ
おお、95% GW1の記事にコメントありがとうございます。

そうでした、GW1 はまったく同じ効果で違う名前のスキル、も割りとありましたし、弱体化スペル(hex)なんかは効果がユニークな反面、BlueCode さんのおっしゃる通り、覚えゲーとも言えました。たしか hex が廃止された背景には、その反省もあったと思います。
GW2は、少しずつ状態異常が増えていますが、まだ大丈夫かな… これも見守りポイントですね。
2014/08/17 Sun 11:48 [編集]
Yuzu
こじょさん、昨夜はお誘いいただいてありがとうございました。楽しかったです!
途中で抜けざるを得ずすみませんでした。
またね!
記事はちゃんとよんでます、ということでww
2014/08/18 Mon 20:57
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