GW2 開発者インタビュー #6 [Kill Ten Rats] (和訳) new

MMO 情報ブログ Kill Ten Rats による、
ギルドウォーズ2開発スタッフへのインタビュー記事を翻訳してみました。

インタビューを受けているのは、開発者の Jon Peters さん、Isaiah ("Izzy") Cartwright さんと、コミュニティ マネジャーの Regina Buenaobra さん、Martin Kerstein さんです。元記事では発言者のお名前があるのですが、この記事ではすべて ArenaNet と表記させていただきました。
  • エネルギーとエネルギー ポーション
  • シャタラー戦
  • ダンジョン
  • PvP (5 vs 5)
などについて言及されています。どの話題も、エネルギーとエネルギー ポーションが中心です。
こじょblogの以前の記事「戦闘の新しい概念: Guild Wars 2 戦闘システム」と同様、PvP が好きな人や、上手にプレイすることに こだわる人にとっては興味深いと思います!

いつもの通り、大胆な意訳です。
見出しはこじょが独自に付けたものです。

イントロダクション

  • 数週間前、私は ArenaNet にインタビューをしました。ギルドウォーズ2のエネルギーとスキル システムは、初代ギルドウォーズの引力から逃れるために再設計されました。私の考えでは、再設計されたこの 2つの概念は最も誤解されやすいものです。
  • ギルドウォーズ2の開発初期段階では、リソースに当たるものはスキルのリチャージ時間だけでした。いくらかのテストのあと、ArenaNet はエンカウント(訳注: mob との遭遇 = フィールドにおける戦闘頻度)のバランスを取り、プレイヤーに適正なエンカウントを促す、もう一つのリソースが必要だと決定しました。初代ギルドウォーズのエンカウントは、勝つか やり直すかの二極であり、求めるリソースに当たるものはありませんでした。ArenaNet は、スキルにおけるリソース、アイテムとしてのリソース、リソースとなり得る新たなゲージなど あらゆるものを検討し、最終的に、エネルギー バーに行き着きました。

エネルギーとエネルギー ポーション

  • 初代ギルドウォーズとは違い、ギルドウォーズ2のエネルギー バーは かなり大きいです(訳注: プレイアブル版を見る限り、100倍くらいになっています)。エネルギーがフルに近ければ、それだけ多くのスキルを使用できます。戦闘中でも戦闘中でなくても、エネルギーはゆっくりと自然回復し、更に一定量をエネルギー ポーションによって補うことができますエネルギー ポーションのリチャージは、戦闘中の方が遅くなります。これにより、エネルギーは長期リソースとして機能します。スキルのリチャージ時間は、短期リソースとして機能します。初代ギルドウォーズのように 2つの短期リソースをスキルに与える*と、プレイヤーは簡単に混乱してしまう、と ArenaNet は付け加えました。それは、初代ギルドウォーズのエネルギー システムから逃れるもう一つの理由でした。
    *訳注
    初代ギルドウォーズにおける 2つの短期リソースとは、「エネルギー」と「スキルのリチャージ時間」です。確かにGW1では、エネルギーは一つの戦闘中だけ管理すれば良い(戦闘が終われば基本 全回復する)短期リソースと考えられます。
  • ギルドウォーズ2のエネルギー バーは、攻撃的なスキルに優しく、防御的なスキルに厳しく設計されています。プレイヤーが攻撃的にプレイしているなら、エネルギーを管理するのは非常に簡単です。エネルギーの消費が激しくなるのは、プレイヤーが防御的な思考に入ったときです。こうすることで、プレイヤーのエンカウントに対する判断を促します。例えば、楽勝な相手とのエンカウントはエネルギーに ほとんど影響を与えませんが、多くの防御的な戦術やスキルを必要とする相手とのエンカウントは、大量のエネルギー消費を念頭に置かなければなりません。ArenaNet は、PvE における楽しみ方の一つとして、どれくらい効率的であるかを突き詰めているプレイヤーがいることに着目しました。プレイヤーが、プレイヤー自身のノウハウやコツを見つけることができるよう、エネルギー システムは、難易度と効率性の狭間でグレーな部分を提供します。
  • ArenaNet は、常に議論の争点となるポーションに主題を移しました。ポーションは、かなりのエネルギー(バーの 60%ほど)を回復するリチャージ制のアイテムです。ポーションは非常に安価で豊富であり、エンカウントの結果に影響しません。ArenaNet は、ポーションが尽きたと同時にプレイヤーを敗北に追いやるようなシステムが欲しかったわけではありません。しかし、ポーションは別の基準として使うことができます。戦闘で使ったポーションは 3つ? それともゼロ? プレイヤーは戦闘がどれくらい困難であったか測ることができます。また、プレイヤーが街に戻ってアイテム整理をし、ポーションを補充するとき、どれくらい効率よく戦い抜いたのかを知ることができます。
  • ArenaNet は、プレイヤーがゲームに堪能になったので、ポーションの使用が反射的になったと言いました。プレイヤーは、エネルギーを使い果たしたとき、ポーションを使用することを無意識に決定します。ポーションを使うことは非常に自然であり、ゲームプレイの一部となっています。
  • 私は、ポーションがプレイ時間を決定するリソースになり得るか尋ねました。ArenaNet は、戦闘のタイムリミットや冒険の継続性を定義するためにリソースを使用する計画は本当に無い、と言いました。ポーションを含めた多くの変数は、単に X 回のエンカウントと戦闘には Y 秒かからなければならない、というバランシングのみに使用されます。
  • ArenaNet は、ドレイクのファイア ブレスをサイドステップで回避するような熟練したプレイヤーは、立ったままダメージを受けるプレイヤーより消費するエネルギーは少なくなる、と付け加えました。ヒーリング スキルは、攻撃を受けている状態では使用が困難で、少しの間、戦闘から離れることをプレイヤーに要求します。攻撃の回避に必要なエネルギーは、エネルギー バーの 5%ほどです。ヒーリング スキルは かなりのエネルギーを消費しますが、サイドステップやブロック スキルはそれほど大きなエネルギーを消費しません。言い換えると、よりスマートで熟練したプレイヤーのエネルギー バーは長く持続します
  • 冒険の継続性に関連する、リソース以外のもう一つの要素を議論するため、ArenaNet は少し脱線しました。ヒールボット モンクは存在しませんが、サポートの役割は まだあります。サポートを主な役割とするプレイヤーは、走り回って倒れた味方を蘇生するか、あるいは中断などによってクリーチャーをコントロールし、他のプレイヤーの活動時間を延ばします。これは、長い目で見れば皆のエネルギーを助けることになります。

シャタラー戦

  • ベースラインとして通常のエンカウントを話していましたが、私は壮大なエンカウントに話題を変えました。シャタラーは、攻撃を避けるために転がり回ることが不可能な巨大なボスです。壮大なエンカウントは、非常に長い戦闘でもあります。ArenaNet は、より大きな戦いでは選択できる多くの行動がある点を注釈しました。プレイヤーは、ダウンした味方を(エネルギーを消費することなく)蘇生させることができます。また、湧き出る敵の大群に大砲を撃ち込むこともできます。
  • シャタラーとの戦闘は大規模なパズルです。彼によってフリーズされた味方がいたなら、他のプレイヤーが助けない限り殺されてしまうでしょう。彼が召喚した回復クリスタルを破壊しなければ、それまで与えたダメージはすべて回復してしまうでしょう。シャタラー戦では、リソース管理よりもプレイヤーたちが協力してパズルを解くことが主題になります。消耗戦ではありません

ダンジョン

  • 私は、リソース管理が重大な要素になると考えたので、ダンジョンの話題に移りました。ArenaNet は、ギルドウォーズ2のダンジョンではパーティのコーディネイト(訳注: チームビルドや役割分担のことと思われます)が重要だと述べました。ダンジョンのストーリー モードでは、いくらかのコーディネイトが必要ですが、困難なものにはしたくありませんでした。探索モードでは、かなりのコーディネイトが必要です。コーディネイトとは、役割の有機的で流動的な変化です。ウォーリアがエネルギー回復のために若干の休息が必要なとき、エレメンタリストがその代わりをつとめることになるかも知れません。
  • ArenaNet は、ダンジョンにおいてプレイヤーが戦場をよく知らない状態では、リソースが尽きたとき過酷な状況になると言います。防御スキルを多用すれば、最終的にエネルギー不足に陥ります。リソース管理(と他のすべて)に関してまだバランス調整中のため、ArenaNet はダンジョンについて立ち入りたくなさそうでした。しかしそのデザイン ゴールは、パーティ ベースのコンテンツとして楽しめるものにすることです。

PvP

  • PvP、特に 5vs5 に関する質問には厳しい締め付けがありました。第一に、ポーションは特定の数量にリセットされます。各プレイヤーすべて同じ数量です。それは かなり少ない数ですが、死ぬとリセットされます。実験段階のメカニズムでは、マップにポーションが設置されており、そこで補充することができました。ArenaNet は、戦場での移動を促し、プレイヤーが分散するという点において、本当に良く機能するシステムだと言いました。ポーションは、一種の再供給メカニズムを提供します。防御的なプレイヤーは、よりポーションと再供給メカニズムに頼ることになります。
  • ArenaNet は、エネルギーは FPS における弾薬にあたると言いました。平時ならプレイヤーはほとんど気にしませんが、戦闘が激しくなるとエネルギーが問題となってきます。ギルドウォーズ2では、プレイヤーが防御的であるほどリソースを消費します。狂ったように転がり回るプレイヤーは、かなり早く燃え尽きます。戦略的に転がる熟練のプレイヤーは元気なままです。ArenaNet は、エネルギーを必要としないジャンプが、戦術的な利点を与えないことを私に保証しました。しかし、もし ウサちゃんホッパー(原文: bunny hoppers)のようなネガティブ プレイが横行するならば、それを取り締まる準備はできています。
    こじょの所見と妄想
    ジャンプに戦術的な利点がない... て、それも微妙ですね(;´Д`)
    トラップを飛び越したり、プロジェクタイルをジャンプでかわしたりできないってことでしょうか?
    エネルギーを消費するようにすればいいのになあ... 情報が断片的過ぎるので、あまり深くは突っ込まないようにしよう^^
  • 私たちはエリートスキルに移りました。そして、私は納得しました... (続く)
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おつかれさまです。

>ギルドウォーズ2のエネルギー バーは、攻撃的なスキルに優しく、防御的なスキルに厳しく設計されています。

ってことは・・・ DPSが、ワッショイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワッショイ
になるんでしょうかね?w
RPでBOT君を徘徊させない措置としては、Silver Bullet となりそうですが(*'へ'*) ンーw
2010/12/19 Sun 16:32
ななしさん
FPS等ではバニーホップは高等技術として親しまれてますが設計者の予期しない動作をされると困るってことですかね?(バニーホップで移動すると加速したりする)
2010/12/20 Mon 16:21
Midwinter
戦闘中にピョンピョン跳ね続けるのは確かに異様な光景かもしれませんね。
段差や障害物などのショートカットなど使うべきシーンはあるはずなので、戦闘中の不用意なジャンプにデメリットがあるのかも?
(ジャンプ中に大ダメージを受けると転倒するとか)
2010/12/21 Tue 15:14 [編集]
こじょ
皆さん、コメントありがとうございます!

>セレアさん
そうですね、攻撃は最大の防御、てことで、攻撃手段を上手に使って防御するのが大事になりそうですね。エレのスタティック フィールドやチャーン アース、レンジャーのサーペント ストライク等、使うタイミングの見極めが必要そう。

>ななしさん
たまにありますよね、開発者の意図しない操作が高等技術になるパターンw GW1のクォーターステップ(Quarter Step)も その範疇かも。ただ、ウサちゃんの方は見栄えが悪いというのが問題かな、と。物理演算をしてリアル世界に近付けているのに、リアル世界にはジャンプしながら戦場を横断したり、飛び跳ねながら銃を乱射するシチュエーションなんて無いわけで...

>Midwinter さん
デメリットを設けるというのは賛成です^^ エネルギーではなく体力を消費する、とかでも面白いかも知れませんね。
そのあたりのセンスは、ArenaNet なら安心のような気がしています。
2010/12/23 Thu 14:12 [編集]
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